●世界の青森へ
十和田美術館の方は気鋭の注目作家の常設展が特色。
美術館の周辺に草間弥生さんの公園を建設中。
市としての芸術価値をあげようとしていてテンションもポテンシャルも高い。
三内丸山遺跡が発掘されたことを機に、青森は世界遺産登録を目指して頑張っているのだなぁ、と思う。若者を美術館に呼ぶような企画をしていて、鑑賞中にはバスツアーの人がどどっとおしかけるシーンに出遭う。韓国語、台湾語、英語、津軽弁も負けじと聞き取れない。
年配ご夫婦に津軽弁で話しかけられる。大阪弁の人も少し。
「これ、どうやって観ればよいの?何を観るべき?」
「これは、うちらにはわからんなぁ。」
「これは、ようやったなぁ。」
とか、竹を割ったような話しぶり。そんな風に話せる人が、まっ白い美術館のギャラリーにうようよといる。札幌だとあんまり考えられない状況。
こんなおしゃれ空間に入っていっても物怖じしませんよ、私もおしゃれなので、という自信のある若者と、美術関係者、見慣れた鑑賞者しかいないのが札幌の状況だと思ってしまう、私。
それに、美術館・博物館で働いている人の人数がすごく多い。
三内丸山遺跡では、おそらくは数年前まで教鞭をとっていたであろう方が、培った知識を活かして解説をしようとうずうずしていた。雪降る外に悩むも、結局断ることができずに、小一時間外の遺跡をみてまわる。長靴をかりる。解説は、さすが、の一言。
縄文人が、私が趣味で集めているものと、同じものをコレクトしていた(実は私、魚の脊椎とか、耳石を集めているのです。)ことがわかって、すっかり縄文文化の虜になる。
縄文熱が冷めやらぬまま、その熱にまかせて郷土資料館に足をのばす。こちらでも解説員の女の人がいつでも解説ができる準備で鑑賞者の様子を伺っているので、少し気が散ってしまう。そういえば、年末にみた北海道近代美術館の「炎×土」の展覧会のワークショップが面白かった。教材研究しようと思いつつできていなかった。そんな折、ちょうど縄文模様の作り方がわかって実り多い。
郷土資料館の建物自体は、もと銀行で重要文化財だった。結局解説を受ける。
でも今度 受けた解説はプロっぽくなくって、本人の感想を交えた等身大の解説。
あったかみがあって、こちらも悪くないなぁと思った。
帰り際、するりと受付の横を抜けていこうとした瞬間、従業員の女性二人がすかさず大きな声で
「ありがとうございました」 のユニゾン。わぁ、すごい。民間企業のような行き届いた感じ!その一生懸命さに少し、胸打たれる。
いけるかも、世界遺産登録!がんばれ、青森、と思ってしまう。
宿泊先の廊下で、椿の造花を発見。深紅。青森、造花流行ってる?と思う。
眠りに就く前に、縄文時代にタイムスリップする妄想。すぐになじむな、と確信する。
十和田現代美術館
http://www.city.towada.lg.jp/artstowada/
三内丸山遺跡。
http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp/
青森県立郷土館
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